今回は、快適に入眠してもらうために睡眠に至るまでの準備を2回に分けて紹介していきます。前回の記事と合わせて読んでいただけると、よりよい睡眠の獲得につながります。
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1日の約1/3の時間を割いてまで身体が欲しがる睡眠。この睡眠に入る前の段階で、いざ寝ようと思ったときになかなか寝つくことができなければ、質の高い睡眠すらとることができません。
人間の欲求の一つでもある睡眠欲を満たすためには正しい準備が大切となります。この知識編で入眠を阻害する原因を知り、気をつけるべきことを理解し、良い準備ができるようにしていきましょう。
入眠を阻害する原因とは
不眠の種類の中で最も多い症状が、寝つきのよくない入眠障害と言われています。一時的に不安に陥って眠れないわけではなく、毎回30分以上寝つきが悪い状態が数か月続いてくると入眠障害となります。
いったい、どういった原因で起こるのでしょうか?
1.自律神経の乱れ
自律神経とは「交感神経」と「副交感神経」の二つに分かれており、それぞれ相反する役割があります。陰陽の考えと似ていて、どちらかが強く出てもよくないので常に交互に刺激をして、体の状態を補完し、安定を保ちます。
では、実際に寝つきが悪いときはどういう状態かというと、本来、入眠するには副交感神経が優位になっている必要があります。しかし、精神的なストレスなどで心身が緊張状態であったり、スマフォやパソコンの液晶画面から漏れる光の刺激を受けたりすると、交感神経が優位になり寝つきが悪くなります。
また、女性に多い冷え性も自律神経との関係があります。眠る直前は体温をあげて、末梢血管を開いた状態にするのが理想ですが、手足が冷えていると体温も下がった状態で血管も収縮しています。結果、交感神経が優位な状態になってしまうのです。
2.体内時計のずれ
人には、日中活動して夜になったら休むという体内時計が備わっています。メカニズムとして、朝に太陽の光を浴びることでセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。その後、夜に睡眠ホルモンと称されるメラトニンの分泌を促します。
こういった体内時計の働きは、ストレスや生活習慣の影響、夜になっても部屋が明るい、嗜好品をとりすぎることなどが原因で、リズムが乱れていきます。そうすることで、夜でもメラトニンの分泌が不十分なままとなり、眠気が起きない・寝付けないと言った症状となります。
3.病気や体質
寝つきが悪い代表的な原因は、自律神経の乱れと体内時計のずれですが、それ以外にもいくつか要因があり得ます。例えば、むずむず脚症候群・薬の副作用による不眠・かぜや喘息といった内科的な症状による不眠です。これらは、根本原因となっている症状を治療することで不眠の悩みも解消されていきますので、適切な治療が必要です。
おわりに
快適な入眠を妨げる原因は各々ありますが、1人1人によって複雑に絡み合っていることを知ったうえで注意していくことが改善につながっていきます。
たしかに、すぐさま改善することは中々できないかも知れません。しかし、日々の生活でできることはたくさんあります。寝る前の電子機器から離れる生活、日中の日照量を増やすなどまずは自分で取り組みやすいものから挑戦してみましょう。
次回は、簡単にできる快適な入眠のためのセルフでのツボ押しをご紹介します。