日本の5人に1人が不眠症状で悩まされている現代。十分な睡眠を確保できている人は、ほんの一握りです。人生において睡眠は大切な休養の一つです。例えずっと起きていようとしても、いつの間にか意識がなくなっていき、体は無意識に休息を求めます。しかし、中には眠りたくても眠れず、心も体を休めずに苦しんでいる人もいます。
今回の記事では、質の悪い睡眠の原因を知り、良い睡眠を取るにはどうしたらよいのかを、東洋医学の考え方も交えてご紹介していきます。
質の悪い睡眠の原因とは
睡眠にはレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の2種類があります。浅い眠りのときは、体が脱力状態で脳が起きていて、夢を見ます。深い眠りのときは、脳の活動が低下し完全なリラックス状態になります。
質の良い睡眠とは、ノンレム睡眠状態にすることです。そのためには、質の悪い睡眠の原因を知ることが大切となります。以下は、質の悪い睡眠の代表的な原因です。
1.不規則な生活
就寝・起床時間、睡眠時間など不規則な生活のリズムが体内時計を狂わせます。体内時計が崩れると、夜に寝付きが悪くなります。
2.アルコールの摂取
就寝前にアルコールを入れると、体は休息の時間であるにもかかわらず、血中のアルコール濃度を下げようと働き始めるため、体が休むことが出来なくなります。
3.カフェインの摂取
就寝前に摂取すると脳が興奮状態になり、深く眠れず夜中に何度も起きてしまい、中途覚醒となって睡眠の質が下がります。
4.寝る間際の食事
就寝の2時間以内の食事は、胃が食べ物を消化しようと働いてしまうので、休息が取れず、睡眠の質が悪くなります。
5.激しい運動
人は寝ている間には、日中に活動している時よりも体温が下がります。激しい運動をして、体温が下がらない状態だと、睡眠しにくくなります。
6.ストレス
ストレスのない人はいませんが、眠る前に考え事をしていると些細な悩みでも深刻に感じやすいですし、精神的にも追い詰められるので、良い眠りがとれません。
7.就寝前の電子機器の使用
就寝前に使うことは、ブルーライトにより脳を強く刺激することで体が興奮状態になるため、質の良い眠りを妨げます。
8.気虚(ききょ)
眠るための気(エネルギー)が足りない状態を言います。睡眠中に働く気が残っていないと脳細胞は新陳代謝ができず、自律神経が乱れて眠りが浅くなります。
気が不足する理由は2つあります。一つは、すべての気を日中に使い切ってしまうことによる気不足です。もう一つは、元々「気」を作る力が弱い体質や状態であることによる気不足です。虚弱体質や呼吸器系が弱い方は気虚になりやすいです。
良い睡眠を取るには
良い睡眠をとるためには、睡眠をする前の準備が大切となります。本来であれば、人は眠るためのシステムが正常に働いてきます。しかし、上記に挙げられた原因により体への刺激が入ると、良質な睡眠がとれません。
対策としては、上記の原因を避けることと、東洋医学でのツボ押しが挙げられます。ここでは、2つのツボをご紹介したいと思います。
良い睡眠のためのツボ
1.安眠(あんみん)
取穴部位:耳の後ろにある骨から指1本分
2.中脘(ちゅうかん)
取穴部位:お臍の上に小指を当て、ちょうど親指が当たる場所
〈効能〉
どちらも不眠の方のツボで、睡眠の質を高める効果があります
〈押し方〉
気持ちよく感じるくらいに指で押したりさすってみる
おわりに
質の悪い睡眠の原因を知り、それらを控えることで睡眠の質は改善されていくはずです。ご紹介した睡眠のツボも、是非試してみてください。