暑い暑い夏。
「眠った気がしない」「体の疲れがとれない」など、なかなか寝つきが良くないと感じる方もいるのではないでしょうか?睡眠時間や睡眠に入る時間帯ももちろん大切ですが、お仕事が夜勤の人、帰宅が夜遅くなってしまう人等々、どうしても睡眠のゴールデンタイムと呼ばれる時間帯に合わせて寝るのが難しい人もいるかと思います。
そこで、大事になってくるのが「睡眠の質」。寝つきが悪いこの季節に必見な、快適な睡眠がとれる方法をお伝えしていきたいと思います。
眠気=体温コントロール
実は、「眠気」と「体温」は密接に関係しています。
人は、仕事や家事のような「活動モード」では体温が上昇しますが、眠る時間に近づくと、体は「活動モード」から「休息モード」に切り替わります。
この、体のスイッチが「休息モード」に入るときに、体温は徐々に低下してくるのです。
「暑い夏、シャワーですまそう」の罠
「じゃあ、湯船を入って体温を上げてしまうと眠気がとんでしまうのでは?」
と、疑問に思われるのではないでしょうか?
そんなことはありません。夏だからこそ湯船に入るべきなのです!
なぜなら…
湯船で温まって少し体温が上がると、そのあと、体温が下がりやすくなるという効果があるのです。つまり、身体がスムーズに眠りに入りやすくなります。ただし、あまり熱すぎるお風呂ですと、体を興奮させる交感神経が刺激され、余計に眠気が吹き飛ばされる事もあります。目安は、39度くらいのぬるいお湯に10分以上。ほどよく温まるまで入っていくようにしましょう。
また、浴室の照明の明るさにも気を遣えると更に効果的!睡眠ホルモンのメラトニンは、目から入る光の量が少なくなるほど分泌量が多くなる傾向があります。
※メラトニン・・・別名「睡眠ホルモン」。覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用。メラトニンの分泌量が多くなることで、深部体温を低下し、眠気を誘う。
脱水所の光がついているなら、浴室の照明はつけなくてもいいかもしれませんね。
「エアコンつけっぱなし」は朝の目覚めを悪くする
眠っている間に、人は「寝返り」という生理現象を起こします。
寝返りをすることで、
- 寝具から体にかかる圧力を分散させ、血液の流れを促進
- 蒸れた背中に涼しい風を入れ替える事で、不快感を取り除く
このような効果があげられるのですが…
寝返りが頻繁に起こると、無意識のうちに熟睡が妨げられ、眠りの質が低下しやすいのです。
特に夏の暑い時期は、寝具に接する部分の温度や湿度が高くなったり、寝がえりの回数が多くなってきます。そんなとき、「多くの人がエアコンの設定で寝室の温度調整をすればよいのではないか?」と考えがちです。しかし、温度を一定にセッティングしているだけでは、睡眠の質に逆効果となる可能性があります。
先ほどもお話したように、人の体温は睡眠中に低下傾向に入ります。代謝量を抑えようとして体温が自然に低下し、午前4時頃には約1℃近くも下がります。そして、目覚めの時間が近づくにつれ、「活動モード」に入っていく準備として徐々に体温が上がっていきます。その時に部屋を冷やし過ぎていると、体温の上昇を妨げてしまうという可能性があるのです。
そこで解決策として、温度ではなく体周辺の湿度をコントロールする事をオススメします!
抱き枕にして背中を開放したり、肌触りが良く吸収性に優れたパジャマを着たりするようにしましょう。質の良いパジャマは一般的に吸収性や通気性に優れています。体温を下げるためにかいた汗を吸って気化させる為、眠りに入りやすいといわれているのです。
冷え性だったり、寝相が悪く布団を蹴ってしまう人は、出来るだけ露出は少ないパジャマをオススメします。また、パジャマに着替えると体は「休息モード」に切り替わると言われています。部屋着のまま横になるより眠りに入りやすい効果があるのです。
夏バテを回避する「扇風機」の超活用方法
真夏に扇風機をまわして寝る人も多いのではないでしょうか。適度な扇風機の風は、汗の蒸発を促し体温を低下させ、快適な眠りへと導きます。更に、エアコンに比べ扇風機の消費電力は20分の1程度なので、家計にも環境にも優しい冷房器具です。
ただし、体の1か所だけに風が当たり続けると、その部位が冷えすぎて、冷え性を悪化させたり、お腹を壊すリスクが高まるので要注意。置く位置を調整して、首ふりモードにし、遠くから柔らかく全身に風が送られるように調整しましょう。
おわりに
夏場だからこそ、蒸し暑く寝苦しい夜もあると思います。
ちょっとした工夫をしていくことで、夏も睡眠も快適にを乗り切りましょう。
参考文献『一流の睡眠』 (ダイヤモンド社)