1999年に国際ライセンスを取得し、フリーランスパーソナルトレーナーとしてGOLD’S GYMを中心に活動。2012年ベストボディジャパン ミドルクラス優勝を機に、フィジークコンテスト優勝・入賞多数。トレーナーとしてメデェア出演、モデル業をこなす中、2013年「株式会社EVOLVE.」を設立。2014年 ReebokONE アンバサダーへ就任し、同年にパーソナルトレーニングスタジオ「Body Work Space EVOLVE.」を東京大手町にグランドオープン。
メンズファッション誌OCEANS「筋肉ソムリエ」連載中。
そんな有馬康泰の素顔に、#exercise #nutrition #rest 3つの側面から迫る。
#Exercise
トレーニング時にベストパフォーマンスを実現する工夫を。
―有馬さんは、日ごろどのような運動・トレーニングをしていますか?
運動は、主に筋トレという形でしています。会社を運営しているのでトレーニングの時間を作るのが難しいんですけれども、朝ぱぱっと30分くらいやったり、空き時間を見つけたりしてやっています。
基本的には30分という限られた時間なので、ひとつの筋肉を重点的にやったり、大きい筋肉と小さい筋肉を組み合わせたりして、インターバル短めで集中的にトレーニングしています。頻度は、最近だと平均して週に4回程度でしょうか。
―トレーニングで気にかけていることはありますか?
トレーニングをする時間が決まっているときは、トレーニングのときになるべくハイパフォーマンスとなるよう、その時間に合わせて栄養摂取を行うことを心がけています。より具体的に言うと、何時にトレーニングをするから、何時に食事をして、何時にサプリメントをとって、と逆算しています。
あとは、トレーニング前は必ず毎回動的ストレッチをやっています。呼吸を行いながら動的ストレッチをすることで、自律神経を整えるという効果も得られるんですよ。そうすることで、体をより良い状態にしてハイパフォーマンスに繋げていくことができます。
この仕事をしている以上、アイコンであり続けたい。
―運動についてモチベーションが上がらないことはありますか?
もちろんありますよ。肉体疲労はもう慣れっこなんですが、精神的疲労に対応するのが日々難しいと感じます。僕の場合、気持ちが乗らないときは、いつもやっている負荷よりも割り切って10kgや20kg落としてコントロールをしています。
結局そういうときって、いつもと同じ重さでやっても絶対上がらないですし、逆に上がらなかったという精神的ダメージも受けてしまうじゃないですか。だからこそ、気持ちが乗らないときは割り切って、自分の状態に応じて強度を調整するなど、臨機応変にトレーニングをします。
しかも、トレーニングをしていると段々ストレス発散もできていくので、終わったときには良い状態になってるんですよ。どんな人にもモチベーションが上がらないときはあると思いますが、そこでどうするかってとても大事なことだと思います。
―いまどんな体にしたいなど、目標はありますか?
常により良くしたいと思っています。中身を快適にしたい気持ちももちろんありますし、外見的にも、この仕事をしている以上は見本であり続けたい、アイコンであり続けたいという想いがあって。
昔は良かったけど今はちょっと太っちゃった、という考えは、僕は自分に対して許せないんですよ。だから、常により良くしたい、という気持ちは中身についても外見についてもありますね。
運動は、生きていくうえで絶対に必要なこと。
―有馬さんにとって運動はどのようなものですか?
生きていくうえで絶対的に必要なこと。人間は動物で、「動くもの」だから、本来動くのが当たり前ですよね。ただ、世のなか便利になりすぎてしまって、動くことが逆に珍しいと言われている時代になってしまった。
自然界の動物に肩こり腰痛なんて絶対ないじゃないですか。それは、きっと動いているから。使える機能を十分に使っているから衰えないだけなのではないかと僕は思います。
片や人間はというと、大人になると、腕を上げてくださいと言われて上がらない人もいますよね。でも子どもはできるじゃないですか。本当は、子どもができることは大人も出来て当たり前のはずなのに、なぜ大人はできないのか。
それは、大人にはそういう動作をする機会が日ごろほとんどないからです。動かないと機能が衰えていく。逆に言えば、動くことは、体を快適に保つうえで絶対に必要なことなんです。
本当は、走る投げる跳ぶといった動作は動物である人間にとって当たり前のことのはずなのに現代社会でしていると、珍しい目で見られる。街中で急いで走っているだけでも周囲から見られますもんね(笑)運動することを、ふつうの習慣にしたいです。
また、運動には「運を動かす」という見方もあります。動けなかったのが動けるようになったり、心身ともにきれいになったりと、運動を通して自分の人生が変化していく。自分の体は自分にしか作れないものだからこそ、体は自分が今までやってきたことの結果の証明になります。僕は、そういった面にも運動のやりがいを感じています。
―運動で、読者におススメしたいことがあれば教えてください。
運動で何をやるか迷っている人には、筋トレは本当におススメです。もしかしたら、筋トレは慣れない負荷をかけてきつそうなイメージがあるかもしれないですが、筋トレはその人に合った負荷に調節してできるし、ちゃんとマンツーマンで学べば正しい動き、普段できていない動きをすることができます。
そうすると、衰えていた機能を取り戻せるだとか、可動域が広がるだとか、色々と今後生きていくうえでのメリットが沢山ありますよ。ただ、教えてくれる先生との相性とか、めぐり逢い的なものもあるかもしれないですけど。
あとは、運動はちょっとまだ、という人は、食事をしっかりすることをおススメします。トレーニングはやっても週に数回とかでしょうけど、食事は1日3回するわけですから、その1食1食について気を付ければ、1週間で21食なので効果が出ないわけがないんですよね。
僕たちが太る原因って食事以外にないじゃないですか。だからこそ、食べてよいもの、避けるべきものをしっかり見極める力をつけることが重要になってくるんじゃないかなと思います。
添加物が体に必要かって言ったら、僕は絶対必要ないと思うんです。体に必要なクリーンなものを食べていれば、薬もきっと必要ない。不必要なものの蓄積によってアレルギーになったり疾病に陥ったりもすると思うので、食生活を見直すことはとても大事だと思います。そこでさらに余裕があれば、運動もしてみたら良いんじゃないですかね。
#Nutrition
食事の際に気を付けるのは、タイミングと栄養バランス。
―有馬さんが、日ごろ食事で気を付けていることはありますか?
まずはタイミングですね。あとは栄養バランス。添加物、化学調味料等は避け、体に必要なものをしっかり選んで摂ることを心掛けています。あとはよく噛むとか、細かいところも意識していますよ。
―有馬さんが、そういったクリーンな食事を好まれるようになったのはいつからですか?
去年頃からです。体を構築するタンパク質を摂ることや、エネルギーとなる炭水化物を摂ることはもちろん以前から意識をしていたんですが、「食品の裏側」という本と出会ってから、添加物は必要ないし、逆にマイナスだなと考えるようになりました。
添加物は食品の品質や味を保つために使われていますが、それは食品企業側の都合であって、体に必要かと言ったらそうではない。なので、お付き合いのときとかはしょうがないですけど、自分で選べるときは一切摂らないようにしています。
添加物を摂ることをやめてみたら、体調も良くなりましたし、トレーニングの反応も良くなりましたし、邪魔するものがなくなった感覚があって。素の自分になった気がします。
マイブームは、栄養素をたっぷり含んだキヌア。
―有馬さんは1日にどのようなお食事を召し上がっていますか?
朝と夜は家で食べるんですよ。あとは、仕事のときはお弁当を二つ持って行っています。
以前は玄米にはまっていたんですけど、今はキヌアですね。キヌアをご飯代わりにして、タンパク質源のお肉や魚、ブロッコリーなどの野菜を食べています。
キヌアって、100g中にタンパク質が14gも入ってるんですよ。そこで約15g摂れるので、お肉もそんなに沢山食べる必要がないんです。お肉は100g食べれば20gタンパク質が摂れるので、100gずつ食べるだけで35gもタンパク質が摂れます。
もう1つ意識しているのが、腸内環境を整えてくれる食物繊維です。腸内環境が悪いと、いくら良いものをとってもきちんと消化吸収がされなくなってしまうので、食物繊維を意識的に摂っています。
実はキヌアは食物繊維も豊富なんです!キヌアを食べるようになってから、体調も体質もさらに良くなりました。無駄に脂肪もつかないですし、減量時のように無理することはまったくなく、安心して美味しく食べています。
―そのほかに、食材や調味料にこだわりがあれば教えてください。
そうですね、例えば僕は肉を食べるときに、焼き肉のたれなどは一切使わないです。なぜなら、そこに避けるべき添加物や必要以上に糖が入っているから。代わりに、岩塩などの塩は、ナチュラルなのに色々と美味しい種類がありとてもおススメです。
あとは、油の種類も気にかけています。コンテストなどに出る中で、脂肪ってやっぱりあまり良いイメージがなくどこか避けていたんですが、そもそも体の細胞もほとんど脂肪で作られているわけですし、体を作るうえで必要な栄養素なんですよね。
オメガ6とオメガ3のバランスがすごく大切なので、特にオメガ3を意識して摂取しています。例えばエゴマ油を納豆にかけたり、お魚を意識的に摂ったり。
「食選力」を身につけよ。
―健康ブームが続いていますが、何か気になることはありますか?
テレビやメディアなどで、ダイエットの色々な方法が取り上げられていますが、「○○するだけ」といった極端なダイエットで生き残っているものは何一つとしてないですよね。やっぱり簡単な方法を追いかけるよりも、手間はかかるけど良い方法を実践した方がこの先の人生に活かし続けられると思います。
体をより良くすることは生活習慣を変えることなので、簡単にはいきません。しかし、強い意志を持って実践すれば誰にでもより良くすることはできるのです。
―栄養について、読者におススメしたいことがあれば教えてください。
体に不必要なもの、必要なものを見極める力をつけてほしいです。この力のことを僕は「食選力」と呼んでいるんですが、この食事を選ぶ力をつけることが本当に重要だと僕は思っていて。
よくうちの母親は「この食べ物がいいんだよ」と言うので、僕が「何に良いの?」と聞くと、「体にとにかくいいらしいよ」と言うんです。でも、それってただ良いって言われてるだけで、結局具体的に何に良いのかわかっていないで食べるから、自分で効果の体感もしにくいはず。むしろできれば避けたい添加物などが入っていることもあります。
体に変なものは入れたくないと、誰しもが思っているはず。なのに、これは見た目がきれいだしみんな食べているし大丈夫なんじゃないかな、など思ってしまうことがあると思います。そんな安心感からの裏付けのない発想じゃなくて、本当にその食べ物が自分の体にとって必要なのか、考えてみてほしいのです。
多くの方は、お仕事が終わって食事について考えるときに、「体に必要なものは何かな?」ではなくて、「いま何が食べたいかな」と考えているのではないでしょうか。でも、必ずしもそれが本来体にとって必要なものかというと、必要じゃないケースのほうが多いと思うんです。
なので、体をより良くしたいのであれば、体に何が必要かということについて学ぶ姿勢を崩さないことが必要だと考えています。
勉強が苦手だという方は、パーソナルトレーナーや栄養の専門家のもとに学びに行けば良いと思います。セミナーとかも開催されているので、検索して、興味のあったものを受けに行く。
自分の体の管理人は”自分”なのだから、快適な体をつくるためには、自ら学ぶ姿勢が必要なのです。
#Rest
中学生のころから欠かさない、寝る前のストレッチ。
―日ごろ、睡眠・ボディケア・休養で気を付けていることはありますか?
今はちょうど色々と忙しいので、睡眠が1番難しいところですね。普段は、最低でも6時間、欲を言えば7時間半睡眠をとろうとしています。
あとは、寝た長さよりも寝るタイミングを大事にしています。よく22時から2時はゴールデンタイムと言いますが、そこでしっかり寝たほうが翌日の調子が良いのは間違いないんですよ。2時以降に10時間寝ようが何時間寝ようが、目覚めは悪く、頭もボーっとして一日シャキッとしません。だから、なるべくその日のうちに寝ることを心がけています。
―ストレッチは、どのようにされているのでしょうか?
ストレッチは、寝る前に必ずしています。僕は中学から大学まで陸上をしていたんですが、中学のときに、先生にお風呂上がりは必ずストレッチをやれと言われて、馬鹿正直だったので毎日やっていたんですよ。そこから習慣でずっとやっています。もはや、やらないと逆に気持ち悪いという感じなんですよね。
お風呂あがりにストレッチをすることで、筋の緊張を和らげて体の機能を保ち、その日の疲れをある程度とる。そしてそのまま寝つくことでより効果的な疲労回復を体感できる。このルーティンは崩していません。
筋肉量は昔よりも増えていますけど、そういった積み重ねのおかげか、柔軟性は機能的に落ちていないかなと思っています。
休養は、自分の体をより良くするための時間である。
―過去と比べて休養についての考え方に変化はありますか?
休養の質を上げるには、運動と栄養含め全てが関係するんだなと、とても感じるようになりました。
例えば夜の食事で糖質を摂り過ぎれば、寝ている間血糖値の上げ下げによって深い眠りにつけなかったり、朝の目覚めが悪くなったりする。これは、自分自身体感したことでもあります。
このように食事と睡眠は密接に絡んでいますし、運動を全くできない日は寝付くのも遅かったり途中で目が覚めてしまったりすることを思うと、運動も睡眠に関係しています。だからこそ、睡眠の質を上げるためには、運動、そして食事が重要だと考えています。
―有馬さんにとって、休養はどのような位置づけですか?
休養は、前の日の状態から自分の体をより良くするものだと思っています。
疲れやダメージを負った体を、運動と食事を休養に組み合わせることでより良く作り変える。
休養の代表格は睡眠だと思うんですが、寝ている間にその作り変えが上手くいったときにきっと、翌朝目覚めも良くて快適な状態になるはずです。なかなかそんな状態にするのは難しいでしょうけど、こういった意味で、休養は、自分の体をより良くするための機会、時間だと思っています。
有馬康泰
株式会社EVOLVE. 代表取締役
ReebokONEアンバサダー
日本体育大学にて運動処方を主に学び 教員免許を取得。卒業後、大手フィットネスクラブへ入社し パーソナルトレーニングの存在を知る。1999年に国際ライセンスを取得し、フリーランスパーソナルトレーナーとしてGOLD’S GYMを中心に活動。2009年よりアンダーウェア&フィットネスモデルとしても活動。2011年 iPhoneアプリ「Sixpack 腹筋パーソナルトレーナー」 をリリースし、2014年には筋トレ本「いえトレ」(メイツ出版)を出版。同年にメンズファッション誌OCEANS「筋肉ソムリエ」連載スタート。2012年ベストボディジャパン ミドルクラス優勝を機に、フィジークコンテスト優勝・入賞多数。2014年 パーソナルトレーニングスタジオ「Body Work Space EVOLVE.」をオープンし、『運』を『動かす』"運動"の魅力を発信し続けている。
《競技成績》
2012年 ベストボディ・ジャパン スポルテック大会 ミドルクラス優勝
2014年 JBBF 第1回 大阪オープンメンズフィジーク選手権大会 173cm以下級・オーバーオール優勝
2014年 JBBF 第1回 オールジャパンメンズフィジーク選手権大会 176cm以下級 準優勝
2015年 JBBF 第1回 メンズフィジーク東京選手権大会 172cm超級 優勝